制作のきっかけ・曲のイメージ
誰もが寝しずまった夜、人形たちがひとりでに踊り始めるという情景をイメージして作りました。少し不気味な雰囲気を漂わせてみましたが、メロディーはかわいらしくできたと思います。不思議な感覚に浸ってもらえるとうれしく思います。

音楽制作時に考えたこと
- この曲の最も変わっているところは、さびが変ホ長調で始まったかと思うとすぐに、ヘ長調に変わるところではないかと思います。ミがフラットであるべきところに、ナチュラルとなったミが入るとき、人によっては聴き苦しいかと思います。
- 途中で、突然曲が止まり、ビブラフォンの音が下がっていくところは、ある1人の踊っている人形が、立ち止まって周りを見渡して、たくさん自分のように踊っている人形がいるのに気づくという場面です。
- 2回目にさびに入る直前は、1回目と比べると、ドラムのスネアに対応する音を1個減らしています。(代わりにバスドラを入れています。)1回目と2回目とのさびの直前があまりに違っていても、又は、まったく同じであっても私には納得できず、考えた結果そうなりました。人によっては、「変なの~。」と思うだけかもしれません。
- 曲の始まる所と、最後のさびが終わる所。この2箇所でビブラフォンに似たようなことをさせています。それは何かというと、3連のリズムで低い音に向かって4つ音を鳴らしています。最後のさびが終わる所では、ピアノの音のすぐ後に、4つのうちの初めの音が鳴り、不自然なので、その1音だけはかなり小さな音にしてあります。なかなか人が気づかないような、細かい法則を形作るのは私にとっては気持ちがいいのです。私が1つの曲を何度も聴くうちに「こんなところに法則ができているのか!」という風に驚かされることがある。それがきっかけではないかと思っている。
- 作っていくにつれ、曲が必要だと言うので、しょうがなく、ビブラフォンで高い音を使ってしまいました。どうしてもビブラフォンで不思議な雰囲気を出したかった。本来ビブラフォンにはない高い音まで使ってしまい、グロッケン(鉄琴)のような音に聴こえてしまうと思います。